今回の改訂では、研究によるエビデンスの集積が困難な事項も多いトラベラーズワクチン領域にあって、現場で適切な接種を普及させるために、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益(疾病の予防効果、他)と害(副反応の可能性、他)のバランスなどを考量して、最善のアウトカムを目指した推奨を呈示すべくClinical Question(CQ)を設定しました。もちろん、渡航者の特性や背景を理解することも不可欠であるため、改訂版は「ガイドライン編」と「ガイダンス編」の構成とし、また付録として、疾患別のワクチンがまとめて閲覧できるように「各ワクチン概要と接種法一覧」を掲載し、さらに渡航者から相談の多い「マラリア予防」についても概説しています。
2010年版の本書は2色刷りでしたが、改訂版ではオールカラーとして読みやすくし、頁数も本文178ページと倍増しています。