いのちのレジリエンス 漢方とブリーフセラピーを精神科治療に活かす

出版社: 東洋学術出版社
著者:
発行日: 2022-06-10
分野: 臨床医学:一般  >  東洋医学
ISBN: 9784910643724
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商品紹介

精神科医である著者は,誰もが持つこの力への働きかけを通して日々診療を重ねてきた。
患者のメンタル面への対応に悩む医療従事者。病に苦しみ,先行きへの不安とともにある患者。その双方に深いヒントを与える一現場からの知恵。
レジリエンスに働きかけるものとは何か。著者が実践するのが「漢方」と「解決志向ブリーフセラピー」。著者の診療風景を通してその意義と実践を知る。

目次

  • 序章

    第1章 解決志向ブリーフセラピー
     解決志向ブリーフセラピーの成り立ち
      家族療法から生まれた心理療法/他の心理療法とどう違うのか/
      ダイレクトに「解決」を目指す
     解決志向ブリーフセラピーのエッセンス
      小話をひとつ―穴に落ちた男/解決像を知る/原因追究は必要ない/
      専門家が解決するのではない/困っている本人が解決の専門家/
      「無知」の姿勢の大切さ/変化は必ず起きる/リソース(資源)が必要/専門家の役割
    「原因」「問題」「解決」の関係
      原因が消えても問題は消えないことがある/直接解決を考える/
      問題の存続・消滅とは異なる次元にある解決/問題はわからなくても解決はある/
      障害はあっても充実した人生を過ごす/人間の知恵にみる解決方法
     解決志向ブリーフセラピーの進め方
      練り上げられたゴール/質問の活用

    第2章 漢方医学と精神科医療
     日本の精神科疾患治療の歴史
      古代から中世―医療と宗教が未分化な時代/近世(江戸時代)―医療と宗教が分化した時代/
      近代以後―医学が担い、医師中心から多職種連携へ
     精神科と漢方は親和性がある
      石を撫でると病気が治る?/ミルトン・エリクソン顔負けの精神療法
    「心身一如」の医学
     「心身一如」の四つの側面/こころと体は分けて考えられない/
      こころと体は互いに反映し合う/こころが体を変化させる/
      体がこころを変化させる/漢方治療の「心身一如」/精神科治療と「心身一如」

    第3章 精神科で漢方はどう役立つか
     漢方薬の効果と有用性
      漢方薬はこころと体の症状に同時に効く/抗うつ薬は体に作用する/
      漢方薬は「いのち」に作用する/漢方薬にも即効性がある
     服薬抵抗の軽減
      精神科の薬を嫌がる患者さん/病識のない患者さんへの対応/
      漢方薬への抵抗は少ない/漢方薬の活用で服薬抵抗をバイパスする
     精神科薬物の減量
      ベンゾジアゼピン系薬物の特徴/ベンゾジアゼピン以外の睡眠薬・抗不安薬/
      漢方薬の活用法
     西洋薬の副作用軽減
      消化器症状に効く漢方薬/錐体外路症状に効く漢方薬/抗コリン作用に効く漢方薬
     良好な治療関係の構築
      ジョイニングまたはペーシング/薬物治療を通じてのラポール形成/
      薬の「飲み心地」に注目する
     全人的医療として
      全人的医療とは/高齢者の具体的な例/漢方薬を効かせるには

    第4章 精神科でよく使う漢方薬
     半夏厚朴湯
      気の滞りを改善する/患者さんにはこう説明する/パニック障害への応用/
      吐き気による不登校のケース
     柴胡加竜骨牡蛎湯
      ストレスが体の症状となって出るとき/私のビギナーズラック/希死念慮を改善する/
      息子の家庭内暴力でPTSDになったケース/円形脱毛症の中学生のケース
     四逆散
      ストレスがあっても表現できないとき/胸脇苦満と腹皮拘急/ナラティブ・ベイスト漢方/
      職場のストレスからうつ状態を呈したケース/双極性障害の男性会社員のケース
     抑肝散・抑肝散加陳皮半夏
      怒りがあるときの処方/うつ状態の高齢者のケース/パニック発作のケース
     甘麦大棗湯
      患者さんが教えてくれた棗の効果/悲しみ・抑うつ・不安が強いとき/
      不登校の中学生のケース
     桂枝加芍薬湯
      お腹の症状に効く/神田橋処方(桂枝加芍薬湯+四物湯)/
      ストレス性の下痢のケース/フラッシュバックと恐怖心があるケース

    第5章 レジリエンスをどう引き出すか
     レジリエンスとは何か
      人はみなレジリエンスを持つ/治療が人を治すわけではない/言葉の力/
      レジリエンスの働きを邪魔しない
     解決志向からみたレジリエンス
      精神療法としての薬物療法/信頼と期待を呼び起こす/幼児のカウンセリングって?/
      解決志向ブリーフセラピーの原則/治療者と患者の関係性/関係性の変化とレジリエンス
     レジリエンスの作用点
      「こころ」という作用点/「体」という作用点/どの作用点に働きかけるか/
      健康生成論/ホメオスタシス/「いのち」という作用点
     レジリエンスを引き出すもの
      抑うつ+下痢症状のケース(解決志向)/更年期による痒みのケース(漢方治療)/
      期待と希望が果たす役割/回復を語るナラティブ/
      レジリエンスに働きかけ、回復を促進するもの

    終章
      精神科治療の厳しい現実との出合い/ブリーフセラピーとの出合い/
      精神科での漢方活用/いのちのレジリエンス/穴に落ちた男の小話再考/おわりに

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