近年急性膵炎患者が増加している。なかでも死亡率の高い難病である重症急性膵炎患者数は、最近十数年の間に3.3倍の著明な増加がみられる。また、重症急性膵炎患者の死亡率が低下しているとはいえ急性膵炎が良性疾患であることを考えれば、十分な治療成績とはいいがたい。本書は重症急性膵炎の診断、重症度判定、初療から特殊療法、外科的治療などのすべてを、臨床医家にわかりやすく示すことを意図してまとめられた。この難病を救命するために現時点で何をなすべきか−−死亡率の高い重症急性膵炎の診断と治療に関する最新の手引き書である。