シャントの手術は成功するまでやらなければならない。しかも作れる場所は限られている。さらに導入時の年齢にもよるが30年、50年という患者に残された人生を見届けるまで何らかの形でアクセスとしての機能を維持させなければならない……。となればこの手術は熟達した人にまかせるべきであるという結論が出てこよう。しかし現実を見ると血管外科を専門としてはいるが透析をやったことのない人や一般外科医がローテーションで手術をやっているなど透析をよく知らない人が作っている場合もあり、このような医師が作ったシャントは使いにくいという愚痴も聞かれる。料理人は自分の作った料理を試食し、常にいい味を求めて腕を上げていく。シャントを作る医師は必ず自分でそれを使ってみて、どのように作るのが最良なのかを研究して欲しい。(「序」より)