誰も教えてくれなかった癌臨床試験の正しい解釈

出版社: 中外医学社
著者:
発行日: 2011-10-25
分野: 臨床医学:一般  >  癌/腫瘍一般
ISBN: 9784498022508
書籍・雑誌
≪全国送料無料でお届け≫
取寄せ目安:8~14営業日

4,840 円(税込)

商品紹介

非劣性試験とはいったい何か? 中間解析と試験中止,結果公表の判断の妥当性は? 個別化治療の方法論とは?… 癌治療・研究のベテランが,臨床腫瘍学における試験結果の読み方について深みある筆致で説く。臨床医・里見清一があえて生物統計学を哲学的に追求する理由。それは「『科学』の方法論をブラックボックスにしてしまっては,我々は患者さんに向き合うのに拠って立つところを失ってしまうのではないか.」との思いにある。

目次

  • 誰も教えてくれなかった癌臨床試験の正しい解釈

    ―目次―

    1 非劣性試験
     非劣性試験とは何か
     FACS trialについて
     非劣性の証明
     対立仮説と帰無仮説
     なぜ「非劣性」でよいのか
     非劣性のマージンの設定
     非劣性が証明されたらどうなるのか
     非劣性試験結果の早期発表について
     後付の非劣性の「証明」
     ITTについて,またクロスオーバーがかかるときの
      非劣性試験の問題
     FACS結果の解釈,誤解,倫理的側面
     FACS trialの(私見)結果の解釈と反省
     
    2 中間解析と試験の中止,結果公表
     CALGB9633の中間解析結果
     2004年当時の私の批判
     早期中止の根拠
     中間解析結果の提示方法
     標準治療としての役割
     2006年の逆転
     「有意差が失われた」理由
     CALGB9633の統計学的「解釈」
     長期フォローとcrossing hazards
     蛇足:crossing hazardsと治療効果の関連の主張
     止める根拠となるべきエンドポイント
     止める基準
     結語:早期中止・公表されたデータはどこまで信用できるか
     
    3 個別化治療について
     誤った「個別化治療の証明」
     予後因子と予測因子が意味するもの
     治療法の選択
     予後因子による治療の選択(risk/benefitの変化)
     予測因子のみでは治療は決まらない
     分子標的治療とは,標的で個別化される治療である
     EGFR-TKIと化学療法の比較から分かったこと
     gefitinibとerlotinibの違い:
      分子標的「薬剤」と分子標的「治療」
     Active controlを持つ場合の問題点
     治療効果予測因子のvalidationと個別化治療の開発
      1)Marker(+)design(もしくはEnrichment design)
      2)Marker-strategy design
      3)All-comers design
     レトロの解析ではいけないのか
     ランダム化しなければ本当に(何も)分からないのか
     
    4 臨床試験におけるエンドポイント
    「真の」エンドポイントとそのサロゲート
     PFSなどの指標の定義
     PFS評価における欠点
     1)研究者による評価バイアス
     2)第三者評価によるバイアス
     PFSとOSとの相関
     PFSのメリット(OS評価の短所)
     クロスオーバーデザインの問題
     FDAの認可状況
     PFSの意味するもの
     初回化学療法と分子標的治療など異質の治療の比較
     治療戦略の比較
    「PFS positive,OS negative」試験の評価
     PFSの意義のまとめ
    “OS positive,PFS negative”trialsについて
     OS以外の“true endpoints”
     QOL
     Cost

最近チェックした商品履歴

Loading...