ナイチンゲールが看護の原点を著した『看護覚え書 は、看護学生であれば誰もが最初に出会う看護の基本書であるが、看護を学びはじめた初学者にとって この著作をどう読むことが、真にナイチンゲールの言葉を理解することにつながるのであろうか。本書は、初学者が『看護覚え書』に書かれている言葉を その言葉のままに読むのではなく、その言葉からナイチンゲールの「ものの見方」や「考え方」を読み取り 学ぶことで、現代の看護に関わる現実を見てとる能力や そこから課題を見出す能力、そして論理的に それら課題に対応できる実力を培えるようにと説かれている。時代が変わっても 決して変わることのない、看護としての基本的なものの見方、考え方を、ナイチンゲールの説いた言葉から学び取り、看護者としての自己を創りあげ、成長させる基礎力を身につけるのに、本書がそのよい手助けとなるであろう。