臨床心理査定アトラス法とは,ロールシャッハ法,ベンダー・ゲシュタルト法,火焔描画法の三つのテスト結果を数値化して作成された心理査定データベース(アトラス)を活用して,人格的特徴や臨床的情報を得る心理査定法である。本書では,アトラスをいかに使いこなすかの具体的手法について,初心者でもわかるように,実際の事例をもとに紹介し,各領域の事例にアトラスを適用することの妥当性と意義についても考察する。また,エビデンスベースドの重要性や今後の臨床心理学について考察する対談や,ユング派に近い立場からの論述も掲載している。医療,教育・児童福祉,司法などの心理臨床現場の臨床心理士や,精神科医などの医療関係者に是非とも読んでいただきたい書である。