系統看護学講座 専門分野II 精神看護学[1] 精神看護の基礎 第5版

出版社: 医学書院
著者:
発行日: 2017-02-01
分野: 看護学  >  看護教育/研究
ISBN: 9784260027731
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商品紹介

本巻では、精神看護の基礎として、現代社会におけるメンタルヘルスや精神医療の現状、精神保健・精神看護のニーズ、人間のこころを理解するために必要な理論、集団の心理のとらえ方、主要な精神障害とその治療、精神障害と医療の歴史、精神障害に関連する主要な法律を学びます。精神看護の実践においては、人間のこころや人間関係についての深い理解が欠かせません。単なる知識の提供ではない系統的な解説により、学生に“深い理解”の基盤を育むことができるでしょう。学生が具体的なイメージを持ちやすいよう、随所に、事例やエピソードを盛り込んでいます。通常、なかなか想像しにくい精神症状や精神疾患についても、多くの事例を掲載しており、効果的な学習が行えます。第5版では、精神保健、ストレングスモデルやリカバリーモデルの説明、各疾患の説明のDSM-5への対応を強化したほか、記述や事例の見せ方などを、さらに学生にわかりやすいように工夫しました。

目次

  • 第1章 精神看護学で学ぶこと
     A 「心のケア」と現代社会
      1 災害と「心のケア」
      2 日本における自殺問題とメンタルヘルス
      3 地域医療の主要課題としての精神疾患
      4 世界的な課題としてのメンタルヘルス
     B 精神看護学とその課題
      1 精神看護学の名称が示すもの
      2 世界からみた日本の精神科医療の現状
      3 多様化する精神科医療のニーズ
      4 入院治療から,地域生活の支援へ
     C 精神障害の体験と精神看護
      1 想像を絶する病的体験の苦痛
      2 病いの苦しみと環境の不寛容
      3 精神障害者がかかえる「現実の問題」と「生きにくさ」
     D 精神看護学でなにを学ぶのか
      1 個別性と不偏性
      2 人と人との関係性の理解
      3 精神看護学の基本的な考え方
      4 「看護過程」について

    第2章 精神保健の考え方
     A 精神の健康とは
      1 「ふつう」というものさし
      2 統一された診断基準の必要性
      3 精神の健康と障害の3つの側面
      4 精神の健康の基準
     B 精神障害のとらえ方
      1 「精神疾患」と「精神障害」
      2 精神障害者の法律的定義
      3 疾患モデルと障害モデル
      4 国際生活機能分類(ICF)の考え方
     C ストレスと健康の危機
      1 生体システムとしてのストレス反応
      2 ストレスの社会分化的側面
      3 精神保健における「危機」というとらえ方
      4 精神保健における3つの予防概念
      5 危機への対処(コーピング)
     D 心的外傷が精神の健康に及ぼす影響
      1 心的外傷(トラウマ)体験と生存者(サバイバー)の心理
      2 日常生活のなかの心的外傷体験が人格に及ぼす影響
      3 喪失と悲嘆
     E 回復(リカバリー)を支える力「レジリエンス」
      1 トラウマが生み出す強さ
      2 ソーシャルインクルージョンの考え方

    第3章 人間の心のはたらきとパーソナリティ
     A 人間の心の諸活動
      1 意識と認知機能
      2 感情
      3 学習と行動
      4 知能
      5 心の理論
     B 心のしくみと人格の発達
      1 人格と気質
      2 ライフサイクルとアイデンティティ
      3 無意識と精神分析:フロイトの精神力動理論
      4 対象関係論
      5 ボウルビーの愛着理論
      6 コフートの自己心理学
      7 土居健郎の「甘え」理論

    第4章 関係のなかの人間
     A 全体としての家族
      1 家族の多様性
      2 家族と精神の健康
      3 家族内のコミュニケーションのゆがみ
      4 家族のなかの役割関係
      5 システムとしての家族
      6 家族療法の考え方と技法
      7 家族のストレスと感情表出
      8 治療的関係と家族
     B 人間と集団
      1 集団のなかの自己
      2 グループプロセス
      3 グループの歴史
      4 全体としてのグループ
      5 グループの方法
      6 グループとしての病棟

    第5章 精神科で出会う人々
     A 精神を病むことと生きること
      1 「病いの経験」の理解への手がかり
      2 さまざまな病気の説明の仕方をさぐる
      3 看護と精神医学の広がり
     B 精神症状論と状態像
      1 症状とはなにか
      2 さまざまな精神症状
     C 精神障害の診断と分類
      1 診断と疾病分類
      2 統合失調症
      3 気分[感情]障害[双極性障害および関連障害群,抑うつ障害群]
      4 神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害
      5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群
      6 パーソナリティ障害
      7 器質性精神障害[神経認知障害群]
      8 精神作用物質使用による精神および行動の障害
      9 てんかん
      10 神経発達障害群
      11 秩序破壊的・衝動制御・素行障害群
      12 心身症

    第6章 精神科での治療
     A 精神科における治療
     B 薬物療法・電気けいれん療法
      1 薬物療法
      2 電気けいれん療法(ECT)
     C 精神療法
      1 個人療法
      2 集団精神療法
      3 家族療法
     D 環境療法・社会療法
      1 環境療法・社会療法の歴史
      2 治療共同体の実践
      3 日本における社会療法の歴史
      4 作業療法(OT)
      5 精神科リハビリテーション

    第7章 社会のなかの精神障害
     A 精神障害と治療の歴史
      1 精神障害と宗教治療
      2 岩倉保養所とゲールコロニー
      3 ギリシャ時代の精神医学
      4 アラビア医学と中世以降の魔女裁判
      5 ピネル,エスキロールと,フランスにおける近代精神医学の夜明け
      6 モラル療法と精神病者の人権擁護運動
      7 モラル療法から近代精神医学へ
      8 クレペリン,ブロイラー,そして統合失調症
      9 ショック療法と積極的身体療法
      10 病院精神医学から地域・社会精神医学へ
     B 日本における精神医学・精神医療の流れ
      1 第二次世界大戦までの精神障害者の処遇
      2 呉秀三の松沢病院改革と精神科看護
      3 戦後日本の精神保健福祉
      4 1980年代以降の人権擁護に関する動き
      5 2000年以降の長期入院者の地域移行の動き
      6 精神保健医療福祉のこれまでの流れ
     C 精神障害と文化
      1 国際化と地球規模の人々の移動
      2 文化的感受性と文化的能力
      3 文化接触や文化変容と精神医学的問題
      4 特定の文化と結びついた精神障害
      5 精神障害の診断は世界的な普遍性をもつのだろうか
      6 移民や移住者のメンタルヘルス
     D 精神障害と社会学
      1 逸脱とスティグマ
      2 精神病院の社会学的研究
      3 ソーシャルインクルージョン
     E 精神障害と法制度
      1 精神科看護と法律
      2 精神科領域で必要な法律と制度
      3 法律・制度における課題
      4 主要な精神保健医療福祉対策

    資料1 精神保健ケアに関する法:基本10原則
    資料2 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(抄)
    資料3 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(抄)
    資料4 平均在院日数の数え方
    資料5 精神医療史年表

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