系統看護学講座 専門分野II 精神看護学[1] 精神看護の基礎 第5版
目次
- 第1章 精神看護学で学ぶこと
A 「心のケア」と現代社会
1 災害と「心のケア」
2 日本における自殺問題とメンタルヘルス
3 地域医療の主要課題としての精神疾患
4 世界的な課題としてのメンタルヘルス
B 精神看護学とその課題
1 精神看護学の名称が示すもの
2 世界からみた日本の精神科医療の現状
3 多様化する精神科医療のニーズ
4 入院治療から,地域生活の支援へ
C 精神障害の体験と精神看護
1 想像を絶する病的体験の苦痛
2 病いの苦しみと環境の不寛容
3 精神障害者がかかえる「現実の問題」と「生きにくさ」
D 精神看護学でなにを学ぶのか
1 個別性と不偏性
2 人と人との関係性の理解
3 精神看護学の基本的な考え方
4 「看護過程」について
第2章 精神保健の考え方
A 精神の健康とは
1 「ふつう」というものさし
2 統一された診断基準の必要性
3 精神の健康と障害の3つの側面
4 精神の健康の基準
B 精神障害のとらえ方
1 「精神疾患」と「精神障害」
2 精神障害者の法律的定義
3 疾患モデルと障害モデル
4 国際生活機能分類(ICF)の考え方
C ストレスと健康の危機
1 生体システムとしてのストレス反応
2 ストレスの社会分化的側面
3 精神保健における「危機」というとらえ方
4 精神保健における3つの予防概念
5 危機への対処(コーピング)
D 心的外傷が精神の健康に及ぼす影響
1 心的外傷(トラウマ)体験と生存者(サバイバー)の心理
2 日常生活のなかの心的外傷体験が人格に及ぼす影響
3 喪失と悲嘆
E 回復(リカバリー)を支える力「レジリエンス」
1 トラウマが生み出す強さ
2 ソーシャルインクルージョンの考え方
第3章 人間の心のはたらきとパーソナリティ
A 人間の心の諸活動
1 意識と認知機能
2 感情
3 学習と行動
4 知能
5 心の理論
B 心のしくみと人格の発達
1 人格と気質
2 ライフサイクルとアイデンティティ
3 無意識と精神分析:フロイトの精神力動理論
4 対象関係論
5 ボウルビーの愛着理論
6 コフートの自己心理学
7 土居健郎の「甘え」理論
第4章 関係のなかの人間
A 全体としての家族
1 家族の多様性
2 家族と精神の健康
3 家族内のコミュニケーションのゆがみ
4 家族のなかの役割関係
5 システムとしての家族
6 家族療法の考え方と技法
7 家族のストレスと感情表出
8 治療的関係と家族
B 人間と集団
1 集団のなかの自己
2 グループプロセス
3 グループの歴史
4 全体としてのグループ
5 グループの方法
6 グループとしての病棟
第5章 精神科で出会う人々
A 精神を病むことと生きること
1 「病いの経験」の理解への手がかり
2 さまざまな病気の説明の仕方をさぐる
3 看護と精神医学の広がり
B 精神症状論と状態像
1 症状とはなにか
2 さまざまな精神症状
C 精神障害の診断と分類
1 診断と疾病分類
2 統合失調症
3 気分[感情]障害[双極性障害および関連障害群,抑うつ障害群]
4 神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害
5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群
6 パーソナリティ障害
7 器質性精神障害[神経認知障害群]
8 精神作用物質使用による精神および行動の障害
9 てんかん
10 神経発達障害群
11 秩序破壊的・衝動制御・素行障害群
12 心身症
第6章 精神科での治療
A 精神科における治療
B 薬物療法・電気けいれん療法
1 薬物療法
2 電気けいれん療法(ECT)
C 精神療法
1 個人療法
2 集団精神療法
3 家族療法
D 環境療法・社会療法
1 環境療法・社会療法の歴史
2 治療共同体の実践
3 日本における社会療法の歴史
4 作業療法(OT)
5 精神科リハビリテーション
第7章 社会のなかの精神障害
A 精神障害と治療の歴史
1 精神障害と宗教治療
2 岩倉保養所とゲールコロニー
3 ギリシャ時代の精神医学
4 アラビア医学と中世以降の魔女裁判
5 ピネル,エスキロールと,フランスにおける近代精神医学の夜明け
6 モラル療法と精神病者の人権擁護運動
7 モラル療法から近代精神医学へ
8 クレペリン,ブロイラー,そして統合失調症
9 ショック療法と積極的身体療法
10 病院精神医学から地域・社会精神医学へ
B 日本における精神医学・精神医療の流れ
1 第二次世界大戦までの精神障害者の処遇
2 呉秀三の松沢病院改革と精神科看護
3 戦後日本の精神保健福祉
4 1980年代以降の人権擁護に関する動き
5 2000年以降の長期入院者の地域移行の動き
6 精神保健医療福祉のこれまでの流れ
C 精神障害と文化
1 国際化と地球規模の人々の移動
2 文化的感受性と文化的能力
3 文化接触や文化変容と精神医学的問題
4 特定の文化と結びついた精神障害
5 精神障害の診断は世界的な普遍性をもつのだろうか
6 移民や移住者のメンタルヘルス
D 精神障害と社会学
1 逸脱とスティグマ
2 精神病院の社会学的研究
3 ソーシャルインクルージョン
E 精神障害と法制度
1 精神科看護と法律
2 精神科領域で必要な法律と制度
3 法律・制度における課題
4 主要な精神保健医療福祉対策
資料1 精神保健ケアに関する法:基本10原則
資料2 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(抄)
資料3 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(抄)
資料4 平均在院日数の数え方
資料5 精神医療史年表