本巻では、まず化粧品の開発にあたって重要となる皮膚について、その成り立ちや機能を理解するために、角層によるバリアー機能や、皮膚の脂質と脂質原料の化粧品への利用について解説しています。また、“皮膚の老化”について、老化現象そのものを理解することから始め、従来の老化研究を踏まえつつ抗老化に対する研究戦略を紹介しています。後半では、シミ予防の有効成分や毛髪を生み出す皮膚付属器官の毛包についての基礎知識を概説しています。最後に、化粧品の開発にあたり最重要ともいえる安全性評価について、動物実験代替法をめぐる国際動向や日本の現状を示しています。全体を通して皮膚への理解を深めることで、抗老化化粧品や薬用美白化粧品、さらには育毛剤の研究開発の一助となる一冊です。