取材に走り回っていた38歳の女性新聞記者が突然血液がん「悪性リンパ腫IV期」と診断された。「治療は?」「仕事は?」「子どもは?」と次々と迫られる選択に必死に答えを出した。治療は成功し、がんは消え、治療半年後には双子を自然妊娠する。子どもたちを無事出産するため、仕事を辞める。が、1人は死産となる。その後、再発・再々発がんや自己免疫疾患、心臓病と次々に襲ってくる病気と闘ううちに、著者は「自分は長く生きないだろう」と考えるようになる。遠くない将来の死を覚悟し「娘にきょうだいを」と願う。最初のがん宣告から46歳で再び出産するまでの9年の記録。第14回開高健ノンフィクション賞最終候補作。