生物化学工学は,微生物や動物細胞をどのようにすれば大規模に培養することができるか,安定して大量生産するにはどのような知識が必要となるのか,安心できるバイオ生産物を得るためにはどのような酵素反応や微生物反応を利用し,どのような反応装置を使い,どのようなバイオセパレーション方法で精製するのか,といったバイオ・医療に関する生産技術を学ぶ学問分野である.本書は,大学工学部のみならず,農学部・薬学部または高等専門学校で使用できる教科書を念頭におき,平易な入門書として企画された.生物化学工学で対象とすべき事柄,すなわち酵素反応や培養の基礎知識から,バイオ医薬や再生医療における生産技術までを網羅的に記述している.理解が深まる演習問題も各章に加えた.