中医昇降学―昇降・出入理論とその診断治療体系

出版社: メディカルユーコン
著者:
発行日: 2022-01-11
分野: 臨床医学:一般  >  東洋医学
ISBN: 9784901767392
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商品紹介

人は自然界の中にあって呼吸し、飲食物を摂取し、消化・吸収・排泄しながら生命活動を営んでいる。それら生命活動はすべて人体における昇降・出入運動として総括できるが、臓腑はその昇降・出入運動の動態バランスを維持する上で中核を担っている。そして病とは人体における昇降・出入運動の障害であり、その昇降・出入運動の障害を調整し正常な動態バランスを回復させることが治療であり、これこそが漢方治療・鍼灸治療の本質である。
 中国の歴代名医達はこの昇降・出入理論の観点から重要な臨床口訣を遺してきている。著者による1990年刊『中医昇降学』は中国伝統医学史上に散在するそれら昇降・出入理論とその診断治療をはじめて体系化・学説化した書として中国伝統医学の歴史に名を刻んだ名著である。
 本書はその刊行から30年の歳月をかけて我が国在住の著者が、日本の東洋医学医療事情を背景に臨床運用に有益な内容を加筆、その後の新たな研究成果を併せて大幅に増補改訂した日本版である。
 臓腑・表裏の昇降出入障害の把握、重要薬物の昇降浮沈の性能、繁用方剤の昇降出入の性能ベクトル、昇降出入理論に基づく経絡兪穴の性能など、本書の内容は我が国の漢方・鍼灸臨床において実用価値の高い内容を網羅している。昇降・出入理論を踏まえて治療に臨むことができれば治療効果は一段と高まる。

目次

  • 第1章 中医学における昇降理論とは何か~その特徴と臨床における意義
     (1)昇降運動の特徴
     (2)陰陽五行学説との関係
     (3)気の作用機序との関係
     (4)「昇降運動」と「出入運動」
     (5)薬能の理論的根拠「昇降」と「浮沈」
     (6)臨床における意義

    第2章 中医昇降学説の源流
     1 先秦代を起源とする
     2 漢・唐代に充実する
     3 宋・元代の争鳴
     4 明・清代の豊富な学術
     5 近・現代における発展

    第3章 生命活動の基本形式としての昇降運動
     1 消化・吸収・排泄(納食化穀,昇清降濁)
     2 水液代謝(水精四布,五経並行)
     3 呼吸(吸清呼濁,吐故納新)
     4 栄養物質の生成変化(気血循行,身体濡養)

    第4章 人体昇降運動の中核を担う臓腑
     1 臓腑の昇降運動
     2 表裏の昇降運動
     3 相関する昇降運動
     4 昇降運動における左右外側の周回
     5 昇降運動の中心
     6 昇降運動の根幹
     7 昇降運動における臓腑のまとめ

    第5章 昇降・出入運動の経路・門戸~経絡兪穴~
     1 正経/臓腑間の連絡と気血の流注
     2 奇経/気血の備蓄と過不足の調節
     3 絡脈/経気の出入の連接,表裏の通達
     4 兪穴/経気の輸注と伝達,開闔と経気の出入

    第6章 昇降運動の失調は病理の要
     1 内傷や精神状態による昇降運動の失調
     2 邪気による昇降運動の失調

    第7章 昇降・出入運動の分析は弁証の原則
     1 昇降・出入状態を分析し病位を定める
     2 昇降運動の異常を察し病証の虚実を推測する
     3 昇降運動の経路を識別し病の趨勢を明確にする
     4 昇降運動の変化に基づいて病の転帰を推測する

    第8章 昇降・出入運動を調える治療法
     1 昇陽挙陥法
     2 平鎮降逆法
     3 臓腑間調整法
     4 疏散鬱塞法
     5 透邪散熱法
     6 消導攻積法
     7 陰陽燮理法

    第9章 薬物運用における昇降浮沈の薬性とその応用
     1 昇降浮沈の薬性の特徴
     2 薬物の昇降浮沈の性質分類
     3 主要薬物の昇降浮沈の薬性
     4 昇降浮沈の薬性に基づく薬物運用

    第10章 昇降運動を調整する合理的な薬物配合
     1 昇降運動を調整する薬物配合
     2 昇降浮沈の薬性に基づく薬用量・剤型・煎じ方・服用法

    第11章 昇降流注における兪穴の基本的な性能
     1 昇提作用をもつ兪穴
     2 和降平逆作用をもつ兪穴
     3 開散疏通作用をもつ兪穴
     4 その他の兪穴

    第12章 昇清降濁・出入開闔に基づく配穴処方と刺鍼手技
     1 上下配穴法
     2 左右配穴法
     3 前後配穴法
     4 表裏配穴法
     5 遠近配穴法
     6 その他の配穴法・鍼法
     7 刺鍼手技による経気の昇降・出入

    第13章 昇降運動を調整する際の注意事項
     1 臓腑・経絡・表裏の性能に順応する
     2 昇降運動の関係性を掌握する
     3 虚実の常と変を掌握する
     4 昇降運動の調整はバランスを要す
     5 上下の治療を区分する

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