健康格差社会 何が心と健康を蝕むのか 第2版

出版社: 医学書院
著者:
発行日: 2022-06-15
分野: 医学一般  >  医療社会学
ISBN: 9784260049689
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商品紹介

「健康格差」を学びたい人に最適な定番書、最新の知見を加えた待望の第2版!
日本が「健康格差社会」であることを世に示した初版の発行後、社会疫学研究の進展により健康格差の存在は共通認識となり、健康格差の縮小が国の政策目標に掲げられるに至った。第2版では初版の内容を基盤にしつつ、この間に蓄積された多くの科学的知見を追加。「健康の社会的決定要因」などに関する議論の動向も解説する。「健康格差」の基本を知る上で最適な定番書。

目次

  • I 健康格差社会と求められる総合的な対策
     第1章 健康格差社会──何が心と健康を蝕むのか
      放置すれば拡大する社会経済格差
      健康格差社会の実像
      なぜ社会経済格差が健康に影響するのか
      ではどうしたらよいか
      社会政策への示唆
      第1章のまとめ
     第2章 見直しを迫られる健康・疾病観と保健・医療
      うまくいかなかった生活習慣病対策と介護予防
      なぜうまくいかなかったのか
      なぜ個人への介入だけではうまくいかないのか
      どのように取り組めばよいか
      第2章のまとめ

    II 生物・心理・社会(bio-psycho-social)モデルと社会疫学
     第3章 生物・医学モデルを超えて──パラダイムとは何か
      パラダイムあるいはモデルとは何か
      従来型の介護予防モデル
      心理・社会・環境要因によるモデル──要介護高齢者は低所得者に多い
      健康や疾患をどうとらえるか
      2つのフロンティア──見えない世界の「見える化」
      第3章のまとめ──本書で取り上げる(研究)課題

     第4章 上位層は健康で,底辺層は不健康──社会経済状態と健康
      投げかけられた疑問
      健康格差は過去の話か
      健康格差は物質的欠乏(貧困)が原因か
      健康格差は縮小できるのか
      第4章のまとめ

     第5章 なぜ学歴・職業・所得(社会経済的要因)が健康に影響するのか
      関連と因果関係
      社会疫学研究の難しさ
      影響する5つの経路
      複雑に絡み合う関係
      今後の研究課題
      第5章のまとめ

    III 社会と健康をつなぐもの──心の大切さ
     第6章 「病は気から」はどこまで実証されているのか
         ──主観的健康感・心理・認知の重要性
      主観的健康感がもつ死亡リスク予測力
      なぜ主観的健康感は大きな予測力をもつのか
      主観的・心理的要因重視の動き
      客観と主観の関係の二面性
      ストレス認知モデル
      心理的ストレスが健康に影響する経路
      治療効果が実証されている認知行動療法
      第6章のまとめ

     第7章 うつは心の風邪か──うつの重要性
      うつの重要性
      多面的なリスクであるうつ
      うつにおける生物学的変化
      社会経済的要因とうつ
      第7章のまとめ

     第8章 ポジティブな「生き抜く力」は命を救う──ストレス対処能力
      ポジティブな主観的認知は客観的な回復をもたらす
      笑いは健康によい?
      人生における指向性
      「生き抜く力」と関連する概念
      ストレス対処能力,SOC(首尾一貫感覚)
      何が「健康」を生み出すのか
      「生き抜く力」とストレス対処
      学習される「生き抜く力」
      外的資源としての社会経済的要因
      社会経済的要因と「生き抜く力」
      第8章のまとめ

     第9章 なぜ結婚や友達は健康によいのか──人間関係と健康
      人間関係と健康の位置づけ
      社会的ネットワークと健康
      結婚と健康
      なぜ結婚は健康によいのか
      学際的な関心を呼んでいる「人間関係と健康」
      社会的ネットワークと社会的サポートと社会参加
      健康への主効果とストレス軽減効果
      第9章のまとめ

     第10章 仕事と健康──職業性ストレスから健康経営まで
      職場レベルにおける決定要因──職業性ストレス
      法人や企業レベルにおける決定要因
      社会・国レベルの決定要因
      なぜ職域・職業における健康格差は生まれるのか
      第10章のまとめ

    IV 社会のありようと健康
     第11章 所得格差と健康──相対所得と格差が大きな社会の影響
      拡大している経済格差
      国際比較研究で発見された格差社会の影響仮説
      格差社会の影響──仮説への批判と反論
      なぜ所得の不平等が不健康をもたらすのか
      第11章のまとめ

     第12章 コミュニティの力,再発見!──ソーシャル・キャピタル
      注目を集めるソーシャル・キャピタル
      ソーシャル・キャピタルとは何か
      ソーシャル・キャピタルの下位分類
      ソーシャル・キャピタル論を巡る論点──批判と反証
      第12章のまとめ

     第13章 介入すべきは個人か社会か──ハイリスク・ストラテジーの限界
      健康に影響する要因の階層構造
      個人への介入の限界
      なぜ健康教育の効果は薄いのか──禁煙を例に
      ハイリスク・ストラテジーの特徴と限界
      ゼロ次予防──健康によい社会づくり
      第13章のまとめ

    V 社会と健康をめぐる課題
     第14章 基礎科学としての社会疫学の課題
      社会疫学の2つの課題──科学的合理性と社会的合理性
      基礎科学としての疫学
      基礎科学としての研究課題
      社会に還元するうえでの課題
      第14章のまとめ

     第15章 医療と公衆衛生・健康政策の見直しに向けた課題
      医学・医療界における変化
      「健康日本21(第3次)」に向けて
      「第3次」に向けた見直しの3つの視点
      介護予防政策の見直し
      歴史的に考える
      第15章のまとめ

     第16章 「健康によい社会政策」を考えよう
      社会疫学の知見が示唆するもの
      社会経済格差の拡大を招く政策の見直し
      医学・医療以外の分野での課題
      予想される2つの批判
      第16章のまとめ

     第17章 社会疫学──社会のための科学・21世紀のための科学
      社会のための科学
      21世紀のための科学
      第17章のまとめ

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