精神科実臨床における認知機能リハビリテーションの実践

出版社: 中外医学社
著者:
発行日: 2023-04-30
分野: 臨床医学:内科  >  精神医学
ISBN: 9784498229426
電子書籍版: 2023-04-30 (1版1刷)
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商品紹介

統合失調症や気分障害における認知機能リカバリーの意義,重要性,検査法,介入法について初学者にもわかりやすく解説する書.リカバリー概念の解説から始まり,統合失調症,大うつ病,双極性障害,発達障害,摂食障害などの評価法,改善療法の技法,NEARの初期導入法や言語セッションの進め方,VCAT-Jなどの実践例を紹介しながら,わかりやすく解説する認知機能リハビリテーションの実践書.

目次

  • 第1章 リカバリー概念
     (1)リカバリーとは
     (2)臨床的リカバリーとパーソナルリカバリー
     (3)治療目標としてのリカバリーを目指すために

    第2章 統合失調症における認知機能障害
     (1)神経認知機能障害の概要
     (2)認知機能障害の長期経過
     (3)認知機能障害と社会的転帰
     (4)認知機能障害の生物学的基盤に関する研究
     (5)神経認知機能障害の評価
     (6)神経認知機能障害の治療
     (7)社会認知機能の障害

    第3章 大うつ病性障害の認知機能障害
     (1)認知機能障害の特徴
     (2)高齢うつ病の認知機能障害
     (3)認知機能障害と関連する要因
     (4)神経基盤・脳内機構
     (5)認知機能障害の治療

    第4章 双極性障害の認知機能障害
     (1)双極性障害の症状寛解期における認知機能障害
     (2)認知機能障害と機能回復
     (3)北海道大学病院での検討

    第5章 発達障害の認知機能障害
     (1)注意欠如・多動症(ADHD)
     (2)自閉スペクトラム症(ASD)

    第6章 摂食障害の認知機能障害
     (1)神経性やせ症および神経性過食症の認知機能障害
     (2)過食性障害の認知機能障害
     (3)北海道大学における自験例の提示

    第7章 社交不安症の認知機能障害
     (1)社交不安症の認知機能
     (2)北海道大学病院での検討

    第8章 認知機能障害の評価法
     (1)精神疾患の認知機能障害の評価
     (2)前頭機能系神経心理検査
     (3)BACS
     (4)その他の検査バッテリー
     (5)認知機能検査の結果の用い方
     (6)主観的な認知機能の低下の評価

    第9章 認知機能改善療法の技法
      (1)認知機能改善療法の種類
     (2)前頭葉・実行機能プログラム(FEP)
     (3)代償的認知トレーニング(CCT)
     (4)リハビリテーションへの神経心理教育的アプローチ(NEAR)
     (5)就労プログラムのための思考スキル(TSW)およびVCAT-J
     (6)社会認知トレーニング(SCIT)
     (7)メタ認知トレーニング(MCT)

    第10章 NEARの初期の導入,PCセッションの立ち上げ方
     (1)ハード面の準備
     (2)ソフト面の準備
     (3)NEARのPCセッションの立ち上げ

    第11章 NEARの言語セッションの進め方と実践例
     (1)北海道大学の統合失調症のNEARプログラムについて
     (2)1回目セッション「認知機能を改善させる活動」の進め方
     (3)2回目セッション「リカバリー目標を立てよう」の進め方
     (4)3回目セッション「学習スタイルとピンチの切り抜け方」の進め方
     (5)4・5回目「問題を解決しよう」の進め方
     (6)6回目セッション「説得力のある主張をしよう」の進め方
     (7)7回目セッション「効果的に伝えよう」の進め方
     (8)8回目セッション「よく聞いて覚えよう」の進め方
     (9)応用的なブリッジングセッションについて

    第12章 北海道大学におけるJCORESとともに行う言語セッションの実践例
     (1)VCAT-Jの概要
     (2)1週間の振り返り.日常生活を基にしたブリッジング
     (3)PCセッションを基にしたブリッジング
     (4)神経心理ピラミッドを用いたセッション
     (5)問題解決場面をテーマにしたセッション
     (6)就労準備性ピラミッドを用いたセッション

    第13章 就労支援を目標とするVCAT-J(Jcores+言語セッション+個別の就労支援)
     (1)言語セッションの導入とグループの注意点について
     (2)PCセッションを基にしたブリッジングについて
     (3)神経心理ピラミッドを用いることについて
     (4)就労準備性ピラミッドを利用したセッションについて

    第14章 認知機能改善療法と他の心理社会的介入の併用
     (1)認知機能リハビリテーション(認知機能改善療法,CRT)は社会機能の改善に寄与するか?
     (2)社会機能の改善に寄与する因子
     (3)他の心理社会的介入とCRTの関係および連携の可能性
     (4)実臨床で有機的に実行するための戦略はどうあるべきか
     (5)今後の課題とまとめ

この書籍の参考文献

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本参考文献は電子書籍掲載内容を元にしております。

第1章 リカバリー概念

P.9 掲載の参考文献
2) 伊藤順一郎, 福井里江. リカバリー. In: 日本統合失調症学会, 監修. 統合失調症. 東京: 医学書院; 2013. p.597-604.
4) Copeland ME. WRAP wellness recovery action plan. Peach Press, 2002. 久野恵理, 訳. 元気回復行動プラン--WRAP. 道具箱. 2008.
5) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部: リカバリー (Recovery) . https://www.ncnp.go.jp/nimh/chiiki/about/recovery.html
10) 金原明子, 澤田欣吾. パーソナルリカバリーの主観と主体性. 精神医学. 2019; 61: 525-32.
11) 中西三春. 当事者の主体性を精神科医療が阻害しないためには. 精神医学. 2019; 61: 517-23.
12) 兼子幸一. 統合失調症の治療ゴールをめぐって-認知機能障害の視点から. 精神医学. 2019; 61: 383-92.
13) Green MF, Horan WP, Mathis KI, et al. Neurocognition and functional outcome in schizophrenia: filling in the gaps. In: Harvey PD. Ed. Cognitive impairment in schizophrenia. Cambridge University Press; 2013. p.85-97.
15) 池淵恵美. 「陰性症状」再考-統合失調症のリカバリーに向けて-. 精神神経誌. 2015; 117: 179-94.
20) 竹内啓善. 抗精神病薬の用量と認知機能. 臨床精神薬理. 2015; 18: 1549-58.
21) 宮本聖也, 荻野 信, 三宅誕実. 抗精神病薬に併用する向精神薬による認知機能障害とその改善戦略. 臨床精神薬理. 2015; 18: 1559-66.

第2章 統合失調症における認知機能障害

P.29 掲載の参考文献
19) 中林哲夫, 古関竹直. 統合失調症の認知機能障害 (CIAS) に対する治療薬の臨床開発の動向と臨床評価. 精神科治療学. 2015; 30 (11) : 8.
20) 統合失調症の薬物療法ガイドライン作成タスクフォース. 統合失調症薬物治療ガイドライン2022. 日本神経精神薬理学会・日本臨床精神神経薬理学会; 2022.

第3章 大うつ病性障害の認知機能障害

P.41 掲載の参考文献
5) 萩原康輔, 陳 沖, 中川 伸. うつ病のリカバリー情報処理理論からみたうつ病における認知障害-Hot vs. cold cognition-. 精神科. 2020; 37: 291-6.

第4章 双極性障害の認知機能障害

P.49 掲載の参考文献
2) 中込和幸. 双極性障害の認知機能 双極性障害の認知機能障害とその治療. Bipolar Disord. 2015; 13: 98-121.
3) 豊巻敦人, 久住一郎. 気分障害における認知機能障害の評価法. 臨床精神薬理. 2019; 22: 9-13.
6) Bourne C, Aydemir O, Balanza-Martinez V, et al. Neuropsychological testing of cog-nitive impairment in euthymic bipolar disorder: an individual patient data meta-analysis. Acta psychiatr Scand. 2013; 128: 149-62.
13) 住吉太幹. 精神疾患の長期経過 機能的転帰の観点から (解説) . 臨床精神薬理. 2021; 24: 667-71.
16) 武井早紀, 清水祐輔, 豊島邦義, 他. NEARと精神科作業療法プログラムによって家事遂行と言語コミュニケーションが改善された双極性障害の事例. 北海道作業療法. 2017; 34: 24-9.
17) 北川信樹, 賀古勇輝, 渡邉紀子, 他. 職場のメンタルヘルス最前線 うつ病患者の復職支援の取り組みとその有効性. 心身医学. 2009; 49: 123-31.
18) 賀古勇輝. うつ病におけるリカバリー外来の実際. Depression Strategy. 2020; 10: 12-5.
19) 久住一郎. 海外エビデンスから期待される統合失調症に対するlurasidoneの有用性. 臨床精神薬理. 2021; 24: 369-76.

第5章 発達障害の認知機能障害

P.58 掲載の参考文献
1) 高橋三郎, 大野 裕. DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル. 日本精神神経学会, 編. 東京: 医学書院; 2014.
12) Happe2016_Article_DemographicAndCognitiveProfile.pdf.

第6章 摂食障害の認知機能障害

P.66 掲載の参考文献

第7章 社交不安症の認知機能障害

P.75 掲載の参考文献
6) Topcuoglu V, Fistikci N, Ekinci O, et al. Assessment of executive functions in social phobia patients using the Wisconsin Card Sorting Test. Turk Psikiyatri Derg. 2009; 20 (4) : 322-31.

第8章 認知機能障害の評価法

P.86 掲載の参考文献
1) 兼田康宏, 住吉太幹, 中込和幸. 統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J). 精神医学. 2008; 50: 913-17.
2) 住吉太幹. 認知機能評価システムの構築: MATRICS-CCB-J, BACS-Jおよび社会機能測定法について. 精神科治療学. 2015; 26 (11) : 1525-31.
3) 松井三枝, 笠井悠一, 長崎真梨恵. 日本語版神経心理検査RBANSの信頼性と妥当性. 富山大医学会誌. 2010; 21 (1) : 31-6.
5) 兼田康宏, 上岡義典, 住吉太幹. 統合失調症認知評価尺度日本語版(SCoRS-J). 精神医学. 2010; 52 (10) : 1027-30.

第9章 認知機能改善療法の技法

P.109 掲載の参考文献
1) 松井三枝, 編. 精神科臨床とリカバリー支援のための認知リハビリテーション. 北大路書房; 2020.
6) Wykes T, Reeder C.(2005) Cognitive Remediation Therapy for Schizophrenia. Rout-ledge. 松井三枝, 監訳. 統合失調症の認知機能改善療法. 金剛出版; 2011.
7) Delahunty A, Morice R. A training programme for the remediation of cognitive defi-cits in schizophrenia. Department of Health of Australia; 1993.
8) 松井三枝, 柴田多美子, 少作隆子. 前頭葉・実行機能プログラム(FEP)~認知機能改善のためのトレーニング実践マニュアル (Ann Delahunty, Rodney Morice)・臨床家ガイド付き~. 新興医学; 2015.
9) Delahunty A, Reeder C, Wykes T, et al. Revised Cognitive Remediation Therapy Manual. Institute of Psychiatry; 2002.
16) 松井三枝, 大塚貞男. 代償的認知トレーニング(Compensatory Cognitive Training:CCT)日本語版の紹介. 精神医学. 2016; 58 (3) : 245-53.
22) 根本隆洋, 他. 社会機能評価尺度(Social Functioning Scale; SFS) 日本語版の作成および信頼性と妥当性の検討. 日本社会精神医学雑誌. 2008; 17 (2) : 188-95.
23) アリス・メダリア, ティファニー・ハーランズ, アリス・サパースタイン, 他. 中込和幸, 監修. 橋本直樹, 池澤 聰, 最上多美子, 他監訳. 「精神疾患における認知機能障害の矯正法」臨床家マニュアル 第2版. 星和書店; 2019.
27) Rogers P, Redoblado-Hodge MA. A multi-site trial of cognitive remediation in schizophrenia: an Austlarian sample. Paper presented at the 9th annual confer-ence on Cognitive Remediation in Psychiatry. 2006.
29) Penn DL, et al. 中込和幸, 他監訳. 社会認知ならびに対人関係のトレーニング治療マニュアル. 星和書店; 2011.
30) Brothers L. The social brain: a project for integrating primate behavior and neuro-physiology in a new domain. Concept in Neuroscience. 1990; 1: 27-61.
31) Moritz S, Woodward TS, Hauschildt M, et al. 統合失調症のためのメタ認知トレーニング(MCT)日本版マニュアル第6.2版. VanHam Campus Press; 2017.
32) 石垣琢磨. メタ認知トレーニング(Matacognitive Training: MCT)日本語版の開発. 精神医学. 2012; 54 (9) : 939-47.

第10章 NEARの初期の導入, PCセッションの立ち上げ方

P.118 掲載の参考文献
1) アリス・メダリア, ティファニー・ハーランズ, アリス・サパースタイン, 他. 中込和幸, 監修. 橋本直樹, 池澤 聰, 最上多美子, 他監訳. 「精神疾患における認知機能障害の矯正法」臨床家マニュアル第2版. 星和書店; 2019.

第11章 NEARの言語セッションの進め方と実践例

P.138 掲載の参考文献
1) アリス・メダリア, ティファニー・ハーランズ, アリス・サパースタイン, 他. 中込和幸, 監修. 橋本直樹, 池澤 聰, 最上多美子, 他監訳. 「精神疾患における認知機能障害の矯正法」臨床家マニュアル第2版. 星和書店; 2019.

第12章 北海道大学におけるJCORESとともに行う言語セッションの実践例

P.151 掲載の参考文献
1) 立神粧子, イェフ-ダ・ベンイ-シャイ, 大橋正洋. 前頭葉機能不全その先の戦略-Rusk通院プログラムと神経心理ピラミッド. 医学書院; 2010.
2) 南雲治嘉. 100の悩みに100のデザイン 自分を変える「解決法」. 光文社; 2006.

第13章 就労支援を目標とするVCAT - J ( Jcores + 言語セッション + 個別の就労支援 )

P.158 掲載の参考文献

第14章 認知機能改善療法と他の心理社会的介入の併用

P.177 掲載の参考文献
7) 池淵恵美. 神経認知機能や社会認知などに焦点をあてた心理社会的介入によって統合失調症の社会機能はどこまで改善するか. 精神経誌. 2019; 121 (10) : 759-76.
8) 丹羽真一. リカバリーの時代とSST (生活技能訓練) . 精神経誌. 2018; 120 (7) : 592-8.
26) 北川信樹, 井上貴雄. 認知機能障害に焦点をあてた気分障害のリワーク. 臨床精神薬理. 2019; 22 (1) : 43-50.
28) 池淵恵美. 統合失調症の認知行動療法. 精神医学. 2019; 61 (2) : 191-204.
30) 橋本 学, 黒木俊秀. 認知療法と認知機能. 精神疾患と認知機能 (精神疾患と認知機能研究会, 編. 精神疾患と認知機能-最近の進歩-) . 新興医学; 2009. p.292-9.
32) 北川信樹. うつ病の認知機能と社会復帰を目指した回復期治療. (精神疾患と認知機能研究会, 編. 精神疾患と認知機能-最近の進歩-) . 新興医学; 2011. p.55-62.
45) 北川信樹, 小山 司. 気分障害における神経心理学的認知機能検査と臨床応用の可能性. 臨床精神医学. 2009; 38: 437-45.
46) 井上貴雄, 高見展江, 楢木浩行, 他. 精神科クリニックにおける認知リハの実践. 北海道作業療法. 2018; 35: 17-24.
47) 北川信樹. 集団認知行動療法を使って効果を高める. 精神療法. 2018; 44 (4) : 514-9.

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