研修医・医学生・看護師のための臨床力がアップする病理解剖活用術
目次
- 第I章 いざという時に役に立つ、病理解剖についての知識
知っておきたい12のポイント
1.臨床研修の中での病理解剖との関わりは?
2.病理解剖の目的は、と聞かれたら?
3.病理解剖を行うための条件は?
4.条件を全て満たしているのに、病理解剖できないのは?
5.病理解剖の遺族への依頼のしかたは?
6.病理解剖承諾書とは?
7.承諾を得る相手の「遺族」とは?
8.日本病理剖検輯報って国が出版している刊行物なの?
9.病理解剖診断書の書き方に決まりがあるの?
10.取り出した臓器は誰のもの?
11.病理解剖を行った時の死亡診断書の書き方は変わるの?
12.遺体相手だから感染対策は不要か?
第II章 剖検症例
A 入院中の突然死 ― 入院中の予期せぬ突然死:病理解剖でどこまで死因を明らかにできるか?
症例A-1 食道穿孔の手術後4日目に突然死した80代男性
症例A-2 発熱の精査で入院、甲状腺炎クリーゼの加療中に突然死した70代男性
症例A-3 ネフローゼ症候群の精査中に突然心肺停止に陥った40代男性
B 希少疾患 ― 病理解剖で初めて明らかとなった疾患とは?
症例B-1 前立腺生検ではわからなかった希少疾患
症例B-2 謎の感染症で腸管が次々壊死
症例B-3 剖検で見つかった新たな疾患
C 剖検で解けた謎 ― 臨床的に謎が残った症例を剖検する意味は?
症例C-1 多発性骨髄腫の経過観察中、急性心不全を発症した原因は?
症例C-2 肺癌術後の経過中に急性心不全を発症した原因は?
症例C-3 進行胃癌で突然の大出血にて死亡した原因は?
D 予想外の剖検結果 ― 病理解剖で明らかになった、予想もしなかった病態とは?
症例D-1 肺癌術後の多発脳梗塞
症例D-2 認知症患者の下痢と発熱
症例D-3 白血病を背景とした肺炎、縦隔炎?
E 剖検で新たな謎が ― 剖検の結果から生まれた新たな謎とは?
症例E-1 膵頭部癌術後、肺動脈血栓塞栓症で死亡した症例
症例E-2 膵癌浸潤に対する十二指腸ステント挿入後の突然死
症例E-3 大腸癌の多発転移で死亡した症例
F CPCの討議で病理診断を変更 ― CPUでの討議が、正しい病理診断の役にも立つ
症例F-1 早期胃癌術後の多発転移性腫瘍
症例F-2 膵癌、肝膿瘍→肝転移巣壊死
第III章 遺族にとっての病理解剖の意義
(1)遺族の思い
(2)剖検結果の説明の現状
(3)病理医による剖検結果の説明の経験
(4)心に残った遺族のことば
(5)剖検結果の説明を希望された理由
(6)遺族のグリーフケアに通じる剖検結果
(7)おわりに
コラム
臨床研修制度によって変わったCPCの対象例
病理解剖にかかる時間
学生CPC指導の想い出
病理解剖の術式
おかあさん、ぼうけんに行ってくる
ホルマリンで臓器の色が変わる
剖検例の切り出し
制限解剖:検索臓器の制限と、切開制限
ネクロプシーとは
病理解剖所見の記載
高齢者の剖検
忘れられないCPC
この状態になるまで生きていた!
痰詰まりは医療過誤か?
肉眼診断の不確かさ
死因とは
真夜中の解剖
標本作成の順番
遺跡の発掘と病理解剖
顔を元通りに~遺族の願い
叶えられぬ夢
緩和医療と病理解剖
おわりに
付表
・臓器の正常重量の目安
・検査の基準値