本書は、Henri Ey(1990-977)の『Defense et illustration de lal psychiatrie. La realite de la maladie』Masson、Paris、1978.の翻訳である。本書は小冊子であるが、20世紀の偉大な精神医学者であるEyの理論と実践とが凝縮され、「エチュード」「意識」「幻覚」などの大著と接続している。ここでEyは、ミシェル・フーコーを始め、反精神医学者、哲学者、心理学者、社会学者などの精神医学への攻撃に対して断固として反論し、「器質力動論」に基づいて正真正銘の精神医学を語っている。精神医学とは医学の一分野であること、狂気とは個人の内的自由の疾患であることが主張されている。(「解題」より)