本書は,2011年秋の第34回救急救命士国家試験追加試験,2012年3月の第35回救急救命士国家試験の合計400問を吟味し,2013年版としました。
長年,正文集を作成していますが,特に今年は「新たに記載することが少ない」と感じました。それは一般問題(A・B問題)の8割は,すでに正文集に記載されている内容や項目であり,新たに記載する必要がなかったということです。状況設定問題(C・D問題)は回を重ねるごとに正文集への反映が難しくなってきています。これらは一般問題の重要事項や頻出事項は絞られてきていますが,状況設定問題は考え方を重視する内容に変化してきていることを示しています。
出題分野は疾病救急医学,救急症候・病態生理学,救急医学概論の出題が全体の約7割を占めるようになってきています。また,出題形式も5つの選択肢から組み合わせなしで1つの選択肢を選ぶAタイプ,同様に2つの選択肢を選ぶX2タイプに統一されてきています。
膨大な情報の中で闇雲に勉強していては国家試験という関門で実力を発揮する前に敗れてしまいます。基本的勝つ頻出事項を正確に理解するために,過去の国家試験問題を分析し,「正しい」内容の選択しに使われた項目や文言を整理した本書を活用して,救急救命士国家試験で大切な事柄を見極める力を養うことが合格につながります。