双極性障害の時代

出版社: みすず書房
著者:
発行日: 2012-11-20
分野: 臨床医学:内科  >  精神医学
ISBN: 9784622077206
書籍・雑誌
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商品紹介

大きな反響を得た前著『抗うつ薬の功罪』につづく渾身の告発であると同時に、第一級の精神医学史研究たりえている重要作。双極性障害─かつて「躁うつ病」と呼ばれ、けっして多くはなかった障害─が、昨今はなぜか身近な病気になりつつある。うつ病患者や小児も巻き込んで、すでに米国では深刻な医療ハザードを生んでいるこの状況の背景には、「気分安定薬」の市場拡大を狙う製薬産業のマーケティングと、精神医療の視線自体の変質が……。著者は双極性障害をとりまく事実と虚構、そして、「双極性(バイポーラー)」概念の濫用が広がる最新の様相を明らかにする。

目次

  • 双極性障害の時代

    ―目次―

    はじめに─躁病(マニー)にまつわる数々の物語

    第1章 狂乱と昏迷
    ヒポクラテスの「マニア」
     診断から治療へ
     商業と科学
     時を超えて

    第2章 脳をめぐって
     新しい脳
     新しい脳とその「神経」
     精神病院(アサイラム)における脳
     狂気と法律

    第3章 循環性の狂気
     パリにおける闘争
     カール・カールバウムと循環気質(シクロチミア)
     エミール・クレペリンと躁うつ病
     過去を見る窓

    第4章 狂気の石
     リチウムの歴史─黎明期
     新しい医学
     精神薬理学の潮流に反して
     傍流のリチウム
     モーエンス・スコウとリチウムの発見
     リチウム戦争
      リチウム戦争の余波/リチウム戦争の皮肉な結末
     情報還元主義

    第5章 躁うつ病の翳り
     長い戦い─ウェルニッケ対クレペリン
     双極性障害の誕生
    「双極性(バイポーラー)」への変化
     類循環精神病
     名は消えゆくとも、そのなせる業は生き続ける

    第6章 米国におけるブランド化
     ジョルジュ・カラス─発見者にして世捨て人
     大熊輝雄─NIH(「うちの発明ではありません」)の時代に
     ロバート・ポスト─キンドリング‐クエンチング仮説
     気分安定薬前史
     上げ潮
     あなたのお医者さんは知らないかもしれません

    第7章 最新の熱狂(マニア)
     学界による仲介
     双極性(バイポーラー)の子どもたち?
     医学界最大の溝

    第8章 人間の魂のエンジニア
     埋もれたニーズ─精神医学市場の築き方
     科学のうわべ
      臨床医をガイドする/エビデンスをつくりだす/
      世界の埋もれたニーズ
     傷ついた治療者
     笛吹き男

    結び 過去と未来の実験室

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