麻酔とはどのようなもので、麻酔中にどのようなことが起こっているのか? 一般にはあまり知られることのない、「痛みのない世界」を求めて日々仕事をしている、麻酔科たちの直面している日常を語りながら、二十万人近 い麻酔の臨床の現場で出会った多くの患者たちの悲喜こもごもや、また、身体の痛みだけでなく、こころの痛み、そして社会の痛みに接してきた麻酔科医の、痛みの哲学への序章ともなる真摯な記録。麻酔とはなにか、痛みとは何かを考えるため、また、人間にとって真の「痛みのない世界」の 未来とはどのようなものかを考えるために必須の参考図書。