近年示されてきたように,ADHDは成人になっても続くことがあり,情緒的,社会的,学業上,職業上の機能に深刻な影響をおよぼす可能性がある。本書で著者らは,子どもはもちろんのこと,特に成人のADHDについてこれまで認知されずに困っていた人たちの例を挙げ,単なる技法の適用ではなく,個人の能力や生活状況を十分に考慮したうえでアセスメントを行い,治療を進めていくことの効用を説く。主要な文献を首尾よくコンパクトに展望し,ADHDに対するエビデンス・ベイスト介入法の堅実な臨床的,学術的背景を示したうえで,ADHDに関する研究の知と実践の技を明らかにした実践的で「読者が利用しやすい」ガイドブック。