不安やうつなどの精神的な不調をきたしたり、職場などの環境に適応できなかったりして精神科を受診したが、標準的な治療ではなかなか改善されない方がいます。その中には、子どもの頃から独特の考え方や感じ方や振る舞いがあり、時にそのために周囲とぶつかって傷つきを重ねてきたという方がいます。子どもの頃からの特徴を発達の経過に沿って丁寧に把握することによって、その方のより良い理解とより良い治療・支援につながることが少なくないと思います。そのような思いから、発達の特徴がうかがわれる成人について、一人ひとりに合わせた「心理教育と支援」の前提となる、包括的な「評価と診断」に重点を置いて本書をまとめました。