本書では、医学の知識や技術を背景に、一人ひとりの日々の暮らしの質を改善するリハビリテーションアプローチに関するシリーズのはじまりとして、「食べる」ということを取り上げた。「食べる」ことは、ひとが生命を維持し、成長し、活動し、子孫を残していくために、その栄養(untrition)といういとなみによりたえず必要な成分を補給する、中枢神経の反応によって引き起こされる本能的な行為である。さらに命の維持と種族保存という本能的な目的を超えて、ひとにとって「食べる」という行為は、生活に楽しみを与え、他者とのつながりを作る手だて、家族の要となる共同行為(共食)、生活の中の儀式、など暮しの中で様々な意味を持つ重要ないとなみである。(「編集にあたって」より)